生産者のつぶやき

80代ばあちゃんVS60代父ちゃんに、60代嫁の一言

2019年12月6日

干柿で一番難しいのが、「乾燥工程」です。

昨今は、天日干しではなく、電気、ガス、灯油などによる機械乾燥と昔ながらの練炭乾燥で仕上げます。

いずれにしても、乾燥するのは柿の表面で、「①表面を乾燥させる」→「②内部から水分が出て表面が湿る」

→「③再度、表面を乾燥させる」この工程の繰り返しを行うながら、途中、「二度の手もみ」を入れて、仕

上げていく訳です。この工程を台車ごとに入れ替えをして行います。多い方は台車が30台~40台あります。

この②と③の間が問題で、ちょっと、台車の順番待ち等で②と③の間が長くなると、水分が戻り過ぎて、いく

ら乾燥させても、柿の色が「黒っぽく」なってしまうのです。

 

こうなると、80代ばあちゃんが黙っていません。「あんないい色したったがに、何け、こんなに黒し

て!」、60代父ちゃんも、「わかっとるちゃ。したて黒したがでないわい!」と対抗・・・。

血のつながりは強いもので、遠慮も配慮もありません。「いさかい」です。

 

60代嫁は、この「いさかい」に、「いつものことや」と我関せずなのですが、ついに一言

「柿かって聞いとるがよ、黒い黒い言うたらあかんちゃ。子供育てるがと一緒。いい子やいい子や言うてほめ

て育てたら、ほんまにいい子になるが。柿にも、いいがになったねー!おいしそうやねー。言うてあげるが。

そうしたらいい柿になるがや・・・・・!」

 

80代ばあちゃんと60代父ちゃんは、これを聞いて沈黙・・・・・。

以来、我が家では、「黒い、黒なった」は禁句に。台車の柿をみたら「うんまそうになったなあ~」を連呼。

こころなしか、黒ならんような気が・・・・・。