弱小干柿生産者のあこがれ・夢・・・。
2019年12月8日
かつて、600万個を超える出荷量があった時代。干柿生産者は400名を超えていたと聞きます。
現在の出荷量は、半減の300万個あまり。生産者は170名余りとなりました。
その数字から、一農家の平均の出荷量は2万個弱。生産者の平均年齢は70歳を超えています。
また、干柿を「なりわい」とするには、最低でも5万個以上の出荷量が必要かと。
必然的に、干柿生産は兼業農家の副業か、年金世代のお仕事にならざるを得ません。
現在、新規就農制度で若い方が3名、研修に来られていますが、
作業場、乾燥機械、高所作業車、防除機、草刈り機などなど、干柿づくりには、多額の設備投資が必要
となりますから、
廃業された方の施設と機械をそっくり、安値で譲りうけるか、賃貸しないかぎり就農は難しい状況です。
60代とうちゃんとしても、あと10年できるかどうか・・・。
後継者がいないため、新たな設備投資も難しく・・・。(あんまは金沢で所帯もったし・・)
そんなこんなで、弱小高齢者の干柿農家としての自分のあこがれ、夢は、
「いつかは自分の干柿が、銀座千疋屋のお店に並ぶこと」
毎年、300万個の中から選りすぐりの干柿1万個余りが、千疋屋さんに送られています。
当然、自分の干柿はいまだかつて、候補にすら上がっていません。
(宮内庁ご用達干柿はさらに厳しく、180個)
中には、「出せばいいがや。」という生産者の方もいらっしゃいますが、
年金+アルファ干柿の自分としては、伝統ある富山干柿の生産者の矜持として
「味・いろ・柔らかさの三拍子そろった干柿」をつくり、千疋屋さんに送られる日を夢見て
あと10年は精進したいと思っています。(そんな日はこんやろけどなぁ~)