生産者のつぶやき

干柿農家はこの時期無口に・・・。

2018年12月14日

干柿農家にもいろいろあります。

10万個以上出荷される農家は、たくさんの従業員を雇われて

工場のように流れ作業で、手もみ、糸きり、トレイづめ、出荷と進みます。

しかし、多くの2万個以下の農家は家族労働で出荷に当たります。

終盤戦に差し掛かったこの頃から疲労がたまり無口になります。

 

前半戦は例年恒例のぼやきです。

ばあちゃん・嫁「あ~あ、なんで干柿農家に嫁にきたがいろ。だまされたわ。」

あんちゃん「会社で仕事してきて、なんで夜なべで干柿せんなん・・。」

じいちゃん「うんまいこと(上手に)干せんもん(乾燥することができない)、

今年でおかんなん。来年せんとこ。(今年で廃業し、来年はしない)」etc.

 

それが終盤戦にさしかかったこの頃になると無口になるのです。

なぜなら、しゃべると「いさかい」が始まるからです。

富山弁の「いさかい」とは「けんか」のことです。

蓄積疲労は人を怒りっぽくします。上手くいかないことを、人のせいにしたくなるのです。

「こんな色の悪い干柿にして」「キズ柿トレイに並べたらあかんちゃ」

「段取りわるいな。こんなことしとったら、いつ終わるがけ」

「毎年毎年おんなじ失敗して、だらんないがけ(馬鹿じゃないの)」

 

口に出したら「いさかい」です。

だから、みんな無口になって、出荷終了を目指して、黙々と夜なべ仕事に励むのです。

 

長いつぶやきでした。